ロバみみ

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堕天使の涙・作品の感想

初日と2日目の、計2公演を観劇。
コムロさんはじめ雪組は、初日近辺はぱっとしなくても、
しり上がりによくなっていく傾向があるので、
これから観たらまた印象が変わる可能性も大いにあるけど、
とりあえず、現時点での「私の」感想。


けーこたんの作品に目立つことなのだが、
細かいディテールにこだわりすぎて、大局が描けていない。
舞台演劇という総合芸術には、時には細かい部分は放り出して、
大きなうねりを作り出すという力技も必要なのである。

この点では、児玉っちにはけーこたんには無い力がある。
クリエイターとしてあるまじき行為を平気でし続ける児玉っちが、
個人的には大嫌いなのだが、あの人の「それってありえねーだろ」と
突っ込みを入れたくなる荒唐無稽で強引な舞台運びは、
時に歌舞伎の荒事にも通じる魅力があり、演劇的である。

けーこたんのお芝居は、素材は女性好みで宝塚向きだし、
脚本もデリカシーのない台詞でムカつかされることはなく良心的だが、
惜しむらくは演劇としての強い魅力に欠ける。
いつも全体として、映画の素敵な場面を繋ぎ合わせたような、
ちんまりした作品になりがちなのは非常に残念だ。

今回も、ちかりんとまゆみねーさん親子、キムとさゆたんカップル、
えりことひろみちゃん師弟の3つの人間関係を、
オムニバスでもなく、パッチワークのように繋ぎ合わせているが、
全てを貫く太い幹が無く、散漫な印象であった。



また、今回は主役のルシファーをはじめ、
ほとんどの登場人物の心理描写が上っ面で感情移入しがたい。

ルシファーは、3つの人間関係のどれにも深くは絡んでこない。
最初に背中を押すだけの役割で、
後は単なる傍観者になってしまっている。

しかも、動機は神の愛が人間に移ったことに嫉妬し、
人間の醜い部分を暴いて神に見せ付けるっちゅーことらしい。
喪黒福造ですか?
つか、『笑うせぇるすまん』の方がメリハリあっておもろいから。

んで、なんで嫉妬してるかっちゅーと、神に愛されたいらしい。
なんやその、迷える子羊みたいなルシファー……。
もしかしたら、トップになるやならずの頃の
“コムちゃん”キャラかもしれんけど、今更感いっぱい……ヽ(´ー`)ノ

そして、人智を超えた能力を持った、
数千年を生きてきた“堕天使”であるのに、
作中、実際その能力を使って行ったことといえば、
自分ちの庭に青いバラを咲かせたことくらい。
他のことは、ちょっと意地悪で頭のいい人間ならできそう。
んなら、“堕天使”じゃなくたっていいじゃん。
彼が“堕天使”である必要性ってなんなんだろーかと激しく疑問。


そんな薄いキャラクター描写の中でも、
やたら作者が熱を入れて書いているように見えるのが
まゆみねーさん演じるジュスティーヌ。
かつて世間の注目を一心に集めたエトワールだったが、
産褥の苦しみにより踊ることを断念せざるを得なかった、
子どもを愛せない母親……。

なんか、やったら目立つ、いい役だったにゃー。
ドレスも一番ステキだったし。
「あんたなんて、生まなければよかった!!」
って啖呵切ってちかりんひっぱたいちゃうし。

彼女は、いつでも感情をむき出しに怒っている。
繰り返し語っているのは、どんなにヒドイことでも本音だ。
だから彼女の思いは、共感できないまでも、理解することはできる。

3つの人間関係の中でも、芯になるストーリーの中心人物でもあり、
人間側の主役は、彼女に見えてしまった。


その対極が、まーちゃん演じるリリス。
開演40分後に行き倒れの惨めな姿で登場……。
そのまま修道院の粗末なベッドに寝かされて、
出番は最後のデュエットダンスのシーンを除いたら、
正味10分もないんじゃねーか?!

ねーねーねー、つーかね、本当は彼女こそが
ルシファーの心を動かし、「人間も悪くないな」と思わせた、
人間側の大きな役割の人なわけでしょう?!
それがなんであんな比重?!?!?!?!

いや、出演時間なんかは短くたって、
インパクトが大きく、物語に大きな影響力があればいい。
鎌倉権五郎なんて、最後に「暫く!暫く~~!」って
たいそうな衣裳を付けて出てくるだけで大主役だ。
でも、リリスはどーなのよ?!

将来を嘱望されたバレリーナだったけれど、
不幸な事故で失明し、世間から姿を消した……ってことが
ちかりんの口で語られるだけ( ゚д゚)ポカーン

神に愛されていないと思い、手首を切ったこともある彼女が、
なぜルシファーをも動かすことのできる、
全てを許す天使のように清らかな心を持つに至ったのか。
そこちゃんと描こうよーーーーーーーーー。
そこがキーでしょうにーーーーー。
元々そーゆー子だったからとかゆーオチ無しで。

そういう具合にキャラクターの書き込みが浅いから、
ルシファーに聖書のマタイ伝を読んで下さいとお願いするところなんて、
いくら奇麗事を並べ立てられても、頭に「う・ざ・い」の3文字が浮かんでしまった。
これは決して演じているまーちゃんのせいではなく、脚本のせいなのではないか。

回を重ねるにしたがって、“光のパ・ドゥ・ドゥ”が、
『堕天使の涙』の“暫”になるといいなぁとは思いますケド。


2番手であるちかりん演じるジャン=ポールも、
自分を捨てた親をいつまでもねちねちと恨み続ける
青臭い男子高校生みたいだったり、
えりこを攻め立てる側に回ってみたり、わけがわかりません。
「天使と悪魔の面を持つ人間」のひとりのつもりなのかもしれんが、
でも、キャラクタとしての魅力に欠けるし、お話としてつまんないからー(叫)。

出会いのシーンでルシファーに
「地獄から君を訪ねてやって来た」とか思わせぶりに言われて、
その後に魅入られるようなダンスシーンがあったけど、
特に操られることもなく、深い関わりもなく。
共同作業は新作バレエ『地獄の舞踏会』のオーディションだけ?

そんなわけなんで、最後にルシファーを見送る彼が、
「ノエルになったらお前のことを思い出してやるよ」とか
「忘れないよ、お前のダンス」とか“さよなら”を意識した台詞を
連発されても、唐突感いっぱいで笑っちゃう。

もうどうでもいいから、しまいにゃー、
「完成した『地獄の舞踏会』見せろよ!それで納得してやるよ!」
って感じですた(´・ω・`)


小さなことですが、泣いちゃった子どもの頭をなでなでしてたら
修道女が来たのでサッと立って背中を向けて知らん振りする
街角の女役のじんじんが好きです。


んー、全体としては結局「人間って悪いもんじゃない」っていうのがテーマ?
それにしちゃあ、お膳立てが豪華すぎだし、第一、お芝居としてつまらん。
うーん、うーーん……。
ものを作り出すことって、難しいんでつね。

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  1. 2006/09/25(月) 21:32:42|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:3

コメント

いやー、自分の言いたいことすべて書いてもらったようでスッキリ。

まーちゃん演じるリリスがルシファーにとってキーとなる重要人物の
はずなのに、出てこない出てこない……いつになったら、まーちゃん
は出てくるんだー。
とイライラ…ああいうラストを迎えるにせよ、その登場からラスト
までがあんまりだ…。
回想シーンでもいいから、辛酸を舐め、不幸のどん底を這いずる
ように生きてきて、時に人生に絶望しつつも、マタイ伝の言葉を
受け入れるに至った過程が欲しい。
じゃなきゃ、あのルシファーを動かせないでしょう…。
まあ、あの登場シーンだからこそ、対照的に「天国のパ・トゥ・ドゥ」
では美しく羽化した天使のような少女に見えますたが…。

まゆみ姐さんのジュスティーヌはいい役でしたな。
エトワールの地位を嘱望されながら転落した過去という下地が
あって。
子供を愛したいが、輝かしい未来を奪った子供の存在を心から
愛せない苦悩を抱えた女性。
確かにエゴイスト、「酷い母親」かもしれないけれど、人間の本質が
そこには存在する気がする。
まゆみ姐さんが伝説のエトワールにふさわしいゴージャスな
雰囲気を備えているのもよし。

いろんな人間関係が描かれていて、その一つ一つは突っ込んで
描いていけば魅力的なんだろうけど…。
ルシファーという「役」に求心力がほしいかなぁ。
リリスとジュスティーヌの確執では、ルシファーは傍観者どころか
蚊帳の外だったような…。

結局、彼は何のために現れ、去っていったのか。
様々な登場人物との出会いで彼が変わったようにも思えなかったし。
(天使のパ・トゥ・ドゥのシーンだけは別だったけど~)
その辺りがなーんか消化不良…………。

書いていくうちにわかんなくなってきたので書き逃げ~(ヲイコラ)。
  1. 2006/09/25(月) 23:36:01 |
  2. URL |
  3. しえる #fXC2jnOg
  4. [ 編集]

はじめまして!いつも面白く楽しく読ませていただいてます。
この公演、初日を見てあまりにも「がっかり・・・」で
思わず指がキーボードを触ってしまいました。
開演後、あまりにもでてこない舞風さんに、休演?と思ったほど。やっと出てきたら小汚い格好の行き倒れ・・・。
もしかして植田先生は恋愛経験に乏しい?
人を愛したことや、愛されたことも無い?
と、観劇友達に言ったところ
「そうかもしれん・・・・相手役は何かの精だったり変なことが多いし。それにうちは浄土真宗やから天使の話されても分からんわっ」との答えが・・・。
  1. 2006/09/26(火) 09:10:21 |
  2. URL |
  3. めい #SFo5/nok
  4. [ 編集]

こっちにもやってきてしまいました。
コムちゃんは大好きだけど、作品の出来は演出が握っていて、、、
最後だけはなぜそうなったのか今から考えます、笑い
  1. 2006/10/03(火) 16:33:59 |
  2. URL |
  3. まゆみ #-
  4. [ 編集]

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